ルポ記事:シンギュラリティ と教育

先日8月2日、【SingularityU Kyoto :X-TALKS 】 Limitless Imagination Singularity University  〜不確実な未来を生き抜くための教育と物語力〜というワークショップに参加してきました。
※Singularity (シンギュラリティ):技術的特異点

 

凄まじく濃い内容でした笑。トップカンファレンスかよ!と思うぐらいの容量だったのですが・・僕にとっては。
手加減してくれている内容だとは思いますが、ローテクな僕にとっては頭が爆発しそうでした。。。

まず翻訳があるとはいえ、全て英語でのプレゼン。自分も英語を勉強してきましたが、ぜんっぜん聞き取れませんでした!悔しい!
プレゼンターが完全にガチで最先端のテクノロジー教育理論を語っていたためと思いたいですが・・・・・留学したくなってきますねぇ。お金貯めますか笑

翻訳が素晴らしかったので内容は理解できました。
そのルポ記事を書きたいと思います。


Singularity University とは?

世界で175程の支部を持つ世界的なTec Educationの団体。
実際の大学ではなく、プラットフォームを複数持ちそこでテクノロジーを使った教育研究・実践を行なっている。

アメリカに本部があるようです。まぁ英語のプレゼンなのでそこまで団体概要を掴みきれませんでしたが、後述するプレゼンの濃さからかなりEdTechに本気の団体です。

彼らが語るのは Future of Learning 未来の教育

全ての問題は教育に帰結するとの考えから彼らはテクノロジーによって世界を良くするには教育にどうやってテクノロジーを入れていくのか(EdTech)を中心にワークしています。

4つのテクノロジーを軸にそれをどうやって教育に応用していくかを語っていました。

・Network Work + Computing
・AI
・nanotechnology
・digital biotechnology


テクノロジーの進化

IBM社が開発した人工知能

IMB社開発のAI ワトソンは世界で上位ランキングに位置する数々の医者が治療を諦めた癌患者を、10分で治癒の方向へ導いてしまいました。
ワトソンは10分で2千万の医療ジャーナルを読破し、その中から最適会を摘出したのです。

「20年後には、私たちは手元に自分の脳と同じ容量のモノを手に入れることができる。」

プレゼンターの予言が、事実に基づいていると確信できる例でした。

最先端の3Dプリンターの稼働

皆さんも一度は3Dプリンターなるものを聞いたことや見たことがあると思います。
僕も3Dプリンターを買って何かモノを作ろうとその設備があるコアワーキングスペースに行ったことがありますが、使用料の高さにビックリして諦めた苦い思い出があります。

その3Dプリンターは最先端では、宇宙にて地球外に住める惑星を構築するために使われているようです。スペースメーカーだったかな?そのような会社が先日NASAと契約して本格的にその事業は始まっているようです。
上場会社であったかどうかはわかりませんが、とにかくもう行くところまで行った感じがありますね。

僕のローテクな頭では翻訳があっても理解が難しかったのですが、とにかく彼らはまず惑星の上に3Dプリンターを設置し、そこからアストロニー〜の速さを超える〜???みたいなことを既に実施しているようです。

うーんわからんでしょう笑 でもすごいエキサイティングな事柄であることは伝わってきました。

3Dプリンターは地球内での物質構築に使用されていると思っていた私にとって、まさか地球外で、人が住める惑星の構築を試しているなんて「ロマンだわ〜!」

マンモスを現代に復活させる?

現在のdigital biotechnologyは、自分の唾液を入れるだけで、自身の生体情報の全てを直ぐにわかってしまうまでに進んでいます。

そのようなテクノロジーを最先端で用いているロシアとアメリカの科学者たちは4万年前の生物、マンモスを現代に出現させようと研究しています。そして、それは理論上可能であると。

なぜこれが「理論上」にとどまっているかというと、現在の象の大きさではマンモスの巨大な体を受胎するに足りないからです。

しかし、絶滅種であるマンモスを現代に蘇らせることがもはや「ハード」だけの問題になっていることには驚きを禁じえません。

将来、「ジュラシックパーク」が現実の世界に実装されるのも時間の問題ですね。


土壌形成

このように、テクノロジーによってシステムが大きく変わりつつある中で、現代においてはその変化を受け入れる土壌がまだ作れていないと、Singularitiy Universityは考えているようです。

土壌形成を支えるものは、3つ

Basic needs(基本的要求)
Ordinarily of Life(普通の生活水準)
Resilience(しなやかさ)

これがあって初めてEdTechも受容可能な状態になるようです。

スペシャリティの遊休と喪失

現代においては、大学で学んだ専門性を仕事に活かしている労働人口はわずか28%らしいです。
海外では基本スペシャリティ(専門性)採用であるので、ジェネラリスト育成型採用をまだ採っている日本ではこの数値は倍以上でしょう。

そして、あるスペシャリティの賞味期限もこの変容の早い現代においては非常に短く1・5年らしいです。
僕のスペシャリティは法律ではありますが、この賞味期限も切れかけているように感じます。習得に6年程かけたものが1・5年で意味がなくなるということは非常に驚きましたが、法律の専門家になることを捨てて、フリーの立場にたった自分の判断はやはり正しかったと安堵させてくれた面もあります。

僕の法律知識は無償でギブし、その対価として、金銭ではなく経験や物、人との繋がりをテイクしようというのが今の私の気持ちですから。それの賞味期限も迫っていることも意識すべきですが。

スペシャリティな専門業務として、ここ5年でほぼ必要なくなる業務として、会計士、医師、薬剤師などを挙げていました。顧問会計士の方がもはや業が継続できないとして引退するのは会社に在職中に目撃してきました。

これには弁理士なども当然加わるでしょう。会社の法務業務に関わっていた時の彼らのローテクの割に料金の高さには僕は憤慨していましたから。
新人の顧問弁護士も然りでしたが。

上記の職業につくには何年もの専門機関での勉強を余儀なくされますが、その賞味期限はもう少しで切れてしまうのです。子供達、何よりその親御さんたちはそれを意識する必要があるでしょう。

 

Exponential Purposeの再定義

産業革命によって何が変わったか?
これまでの産業革命によって変わってきたのは、生産プロセスです。

しかし、これからのSingularity 第4次産業革命によって重要となるのは、連続する指数関数的技術のアップデートによって何を達成するのかを再定義し共有することが大事となります(Exponential Purpose)

なぜなら、この21世紀において行われるSingularityにおいては、洞窟で石器を持って暮らしていた時代から現代に達するまでの2万年の人類の進化と同じ進化を不可避的に達成してしまうのですから。

正常性バイアス

Exponential Purposeの再定義が大事な理由の根拠となる例として、正常性バイアスなるものがあります。

正常性バイアス(normalcy bias)」とは、人間が予期しない事態に対峙したとき、「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働き(メカニズム)を指します。

 

例として、大地震への予防心理があります。
地震は、将来において不可避的に生じる災害です。その点でSingularityと類似性を持ちます。
プレゼンターの方はカルフォルニアに住んでいるそうですが、このハイテックな時代においてそこで地震対策として行われているのは「机の下に潜る」ことらしいです。そして、肩を叩き合いながら、そして人々は肩を叩き合いながら「よくやったな」とその対策を正常と認識していると。

つまり、正常性バイアスをもっと具体的にいうと、人々は地震という必ず来るべきものへの対策として、分かりやすいものにしがみつき、たとえそれが非効率であったとしても、それを正常と捉えてしまう心理です。

現代ではマスダンパーなど、制振技術などが進歩しているにも関わらず、机の下にこもることで対策として満足してしまうのです。

※マスダンパー

建物の最上部などに「おもり」を設置し、おもりと建物の間に生じる力を利用して建物の振動を低減させるもので、動吸振器の一種。揺れているブランコに乗っている人が自らの重心を動かすことで急激に揺れを止める様子を想像すると良い。

このような机の下に潜るような教育ではなく、マスダンパーみたいなものをどうやって学びの中で実践していくかが重要となります。


これからのプラットフォームの重大な要素

これからのライフプロセスは、単に脳に知識を注入するようなものではありません。
螺旋状に渦巻く世界の変容の中で、自分を知った上で、自分に何が出来るかを自己最適化していくことです。

Singularity University ではそのためのプラットフォームを作ることが重要だと考えているようです。

そのためにポイントとなる要素が3つあります。
1.フレーム 2.自己最適化 3.新たなエコシステムの形成

1.フレーム

テクノロジーによって、どうやって現在の瑕疵を治癒していくのか、取り除きたいものを取り除いていくのか
それを考えることが大事です。

今の学びは、学校の「教室」という旧態依然とした物質的プラットフォームの中にあるのではありません。

手元にあるのです。グーグルを使って検索をかけるだけで世界最高の大学の講義を無料で受けることができます。

そのようなプラットフォームのフレームを意識して、教育をアップデートする必要があります。

 

2.自己最適化

この自己最適化が意味するところは、
「自分の生体情報を知ることにより自分の生体の適正に合ったタスクを行える」ことを意味します。

この画像はプレゼンターの生体情報を可視化したものです。

左から、呼吸の深さ、ストレス負荷の程度、眠りの深度を数値化しています。

また中国のある小学校では、生徒の表情の変化、何日後に病気になるかまで数値化され、それを教師が管理できる状態になっています。

このように既に生体情報の可視化は社会実装されているのです。

フロー状態の意図的作出

人間はゾーンに入ることがあります。よくスポーツ選手の究極の集中状態などが「ゾーンに入る」と表現されますね。

MITなどでは音楽によって自分の体を活性化させ、意図的にゾーン状態(フロー状態と仰られてました)を作出することにより、学生の最高出力を出すということが行われているようです。

 

3.エコシステムをどうやって作るか。

現在の教育のエコシステムは以下の通り

左の教師「これをやりなさい」
中央の親「私もやって成功してきたのだからやりなさい」
右の子供「もういいや〜逃げる!」

です。

しかし、これは正常バイアスと同じことです。
人は自分の成功体験を他人に押し付けようとしますが、それが成功したのはその人の個性と時代が合ったからであり、何より自分の成功を証明するための最良の手段が他人に同じことをさせることからすればそれが「成功」であるかさえ疑わしいです。

だから私たちはこの正常バイアスを乗り越えなくてはならないのです。
学びの基礎を再デザインしなければならないのです。


エトセトラ

 

ヒアリング

自己最適化は、ハイテクがなくてもできます。
それはヒアリング。
自分自身に、自分がこの世の中で何が出来るか問い続ける(ヒアリング)により、自分の役割が自然に明確化される、ということです。
そして、自分のヒエラルキーにおいて何ができるかを考えるべきなのです。

快適性

スタートアップの状態で人は壮大な目的を考えがちでそれが原因で身動きが取れなくなったり心が折れたりします。
まずは「自分がそこで快適でいられるか」を考えるべきです。

学習サービスのコンテンツ化

Singularity University では、学びの基礎の再デザインにおいても、自分たちがプラットフォームを持つだけではなく、自分たちのカリキュラムをコンテンツ化して、他者に届ける、というのも行なっているらしいです。
これは少しALTER とも似ていてますね。原則プラットフォームを持つわけではなく、知識を共有化するという点で。

パッションとワークとの近接

情熱と仕事が重なり合っていることが、フロー状態を長く続けるコツです。
そのため、自分のパッションとワークを近接させることが重要です。

例として、プレゼンターの知り合いで、アーティストになりたいという高校生がいたらしいです。ただ親はエンジニアの学校に通うべきで、アーティストは趣味でやったらいいと言ったそうです。

この状態が生じた原因は、親がアーティストを貧乏なものと認識していたことから生じたものです。

そこで、親にiPhone Xを渡してその感想を聞くと「綺麗だ、美しい」という答えがかえってきました。これはアートだと。
そこで答えたのです。このiPhoneを作っている人たちが世界で一番裕福な層ですと。

そこにパッションとワークとの近接のヒントがあります。


5525文字数・・・3時間かかったわ・・・

以上、ルポ記事でした!

 

 

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